パリ郊外のカフェ|MARIE JEWELRY(マリエジュエリー)

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パリ郊外のカフェにて
 
 
パリ郊外のカフェイラスト
 
 
 
1900年代、パリ郊外にある古いカフェに
 
毎朝同じ時刻になると
いつも窓際の席に座るマダムがいました。
 
ブロンドの髪をひるがえしブラウンの大きな瞳は
いつも潤んでいるようです。
口元にほほえみを浮かべて。
 
 
目の覚めるほどの美しい女、とは
彼女のような人のことを言うのでしょう。
その人目当てに来るお客さんも大勢いたほどですから。
 
 
ある朝のこと、
小説片手に熱々のカプチーノを楽しんでいるその人に
 
若きギャルソンが尋ねました。
 
「マダム、あなたがいらっしゃるとこの店は
突然春でも来たかのように華やぎます。
 
どうしていつもそんなに素敵でいらっしゃるのでしょう?
私にはなにか特別な秘密があるように思えてなりませんが。」
 
 
「そうね、特別なことはないけれど。」
 
 
「ひとつ言えることは、私は女だし、
女であることを楽しんでいるわ。」
 
マダムはにっこりと微笑み、パタンと小説を閉じました。
 
 
 
パリ郊外のカフェの話
 
 
パリ郊外のカフェにて
 
 
パリ郊外のカフェイラスト
 
 
 
1900年代、パリ郊外にある古いカフェに
 
毎朝同じ時刻になるといつも窓際の席に座るマダムがいました。
 
ブロンドの髪をひるがえしブラウンの大きな瞳は
いつも潤んでいるようです。
口元にほほえみを浮かべて。
 
 
目の覚めるほどの美しい女、とは
彼女のような人のことを言うのでしょう。
その人目当てに来るお客さんも大勢いたほどですから。
 
 
ある朝のこと、小説片手に熱々のカプチーノを楽しんでいるその人に
 
若きギャルソンが尋ねました。
 
「マダム、あなたがいらっしゃるとこの店は
突然春でも来たかのように華やぎます。
 
どうしていつもそんなに素敵でいらっしゃるのでしょう?
私にはなにか特別な秘密があるように思えてなりませんが。」
 
 
「そうね、特別なことはないけれど。」
 
 
「ひとつ言えることは、私は女だし、
女であることを楽しんでいるわ。」
 
マダムはにっこりと微笑み、パタンと小説を閉じました。
 
 
パリ郊外のカフェの話